インビザラインは医療費控除できる?対象費用と控除額の算定方法・書類・申請方法を紹介
医療費控除とは、家計を共にする家族と申請者本人の1年間(1月1日~12月31日)に支払った医療費が10万円以上、もしくは総所得の5%を超えた場合、確定申告期間(2/16~3/15)で申請することで支払った税金の一部が還付金として戻ってくる制度です。
ご自身、もしくはお子さんのインビザライン矯正を検討している方は「医療費控除は使えるのかな?」と疑問をお持ちかと思います。本記事では、インビザラインと医療費控除について、控除対象になる費用、控除額の算定方法、必要書類や申請方法などについて紹介いたします。ぜひ参考にご覧ください。
インビザラインは医療費控除の対象?
結論、インビザラインは医療費控除の対象になることが多いです。ただし、すべてのインビザライン矯正が医療費控除になるわけではありません。医療費控除は「医療目的」なのか、「審美目的」なのかで控除の対象になるかどうかが決まります。
例えば、噛み合わせを治療するためと医師から判断された場合は医療費控除の対象ですが、見た目を綺麗にしたいという場合は医療費控除の対象外です。これはインビザラインに限らず、その他の矯正治療も同様です。
小児矯正は医療費控除の対象?
小児矯正で相談に来られる親御さんの中には、「子供の受け口やすきっ歯などは将来的に見た目が悪くなるから矯正したい」と考えています。
そのため「審美目的では?」と考えてしまうかもしれませんが、小児矯正は基本的に医療目的であるため、医療費控除の対象です。
なぜなら、子供の場合は不正咬合や顎の成長などに問題があり、歯科医師が「子供の成長に悪影響を及ぼす可能性があるため、矯正治療が必要」と診断するためです。
成人矯正は医療費控除の対象?
大人のインビザライン矯正は、必ずしも医療目的になるとは限らないため、注意が必要です。ただし、患者様が審美目的と思っていても、歯科医師が不正咬合の問題があると判断した場合は、医療費控除の対象です。
医療費控除の対象になるかどうかは近くの歯科医院へ相談し、判断してもらいましょう。
インビザラインで医療費控除の対象となる費用
インビザラインが医療費控除の対象となっても、すべての費用が医療費控除の対象となるわけではありません。医療費控除の対象となる費用も制限されているため、ここでは対象となる項目を紹介いたします。
精密検査代
レントゲン撮影、3D光学スキャナーによる歯型取り、口腔内撮影などの精密検査代です。精密検査代は一般的に50,000円程度かかります。
矯正装置代
矯正装置とは、歯並びと噛み合わせを治していく器具のことです。インビザラインでは、マウスピースのことを指します。インビザライン矯正費用の大部分を占めます。
調整料
インビザライン矯正では、1~3か月に1回通院する日が設けられており、その日にマウスピースの適合の確認やトラブルの有無の確認などを行います。その際に調整料として5,000円/1回ほどいただいております。
薬代
痛み止めなどの薬が処方された際は、薬代も医療費控除の対象となります。
交通費(基本的に公共交通機関)
公共交通機関に限りますが、交通費も医療費控除の対象です。ここでいう交通機関とは、電車やバスを指します。領収書が出ない場合は、公共交通機関を利用した日時、場所、料金、通院記録などを詳細に記録しておく必要があります。また、1人での通院が困難な場合、付き添いの人の交通費も対象です。
ただし、通勤・通学の際に使用している定期券を使った通院、自家用車での通院やガソリン代や、飛行機・新幹線などによる通院は特別な理由がない限り基本的には対象外です。
デンタルローンやクレジットカードでの支払い
デンタルローンとは、歯科矯正治療に限定したローンのことです。デンタルローンを利用することでインビザライン矯正費用を分割払いができ、その分割払いにした費用は医療費控除の対象です。クレジットカードも同様です。
ただし、分割払いにしたことによって発生する分割手数料や金利手数料は医療費控除の対象外ですので、注意しましょう。
医療費控除額の算定と還付金について
ここからは、ご自身の医療費控除額と還付金の算定方法について説明いたします。STEP1~STEP3まで順番に読み進めて、計算してみましょう。
STEP1:医療費控除額の算定方法
医療費控除額の算定方法は次の通りです。
医療費控除額=(1年間の医療費の総額)-(保険金などの受給額)-(10万円)
「保険金などの受給額」とは、出産一時金、家族療養費、高額医療費、傷害費用保険金、医療保険金、入院給付金などが該当し、受け取った金額分を医療費の総額から引きます。
例えば、1年間の医療費の総額が50万円、保険金などの受給額が10万円の場合、医療費控除額は「50万円-10万円-10万円=30万円」です。
また、1/1~12/31までの総所得が200万円未満の場合は、総所得の5%以上の医療費がかかれば、医療費控除が適用されます。例えば、総所得が150万円の場合、総所得の5%は75,000円です。75,000円を超える金額は医療費控除の対象です。
STEP2:所得税率の確認方法
所得税率は、個々の所得金額によって異なります。課税される所得金額は、収入から控除額を差し引いた金額です。
給与所得者(雇用されている人)は、社会保証控除、配偶者控除、扶養控除、生命保険控除などが収入から差し引かれます。詳細は会社から貰える源泉徴収書に記載されています。
そして、平成27年以後の所得税率は次の通りです。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000円 から 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
詳細は国税庁のホームページをご覧ください。
STEP3:還付金額の算定方法
医療費控除額と所得税率が分かれば、還付金額の算定ができます。
医療費控除額×所得税率
先ほど例を挙げた、1年間の医療費の総額が50万円、保険金などの受給額が10万円の場合の医療費控除額は「50万円-10万円-10万円=30万円」です。
そして、所得金額400万円と仮定すると、還付金は以下の通りです。
30万円×20%=6万円
あくまでも上記は目安ですので、詳細は国税庁のWebサイト、またはお近くの税務署にお問い合わせください。
医療費控除の必要な書類
医療費控除に必要な書類は次の通りです。
- 確定申告書(給与所得者は源泉徴収票)
- 医療費の領収書・明細書
- 診断書
- 印鑑
- 銀行の通帳
- マイナンバーカード(e-taxで申請する場合のみ)、本人確認書類(免許証など)
- 契約書の写し、信販会社の領収書 ※
※デンタルローンやクレジットカードの分割払いを利用された場合のみ
医療費控除の手続き・申請方法
医療費控除は毎年2月16日~3月15日の1か月間の間に申請します。申請方法は次の通りです。
税務署へ行き、申請する方法
お近くの税務署へ直接行き、確定申告書類を受け取り、記入し、提出します。記載方法については職員に質問すると、説明してもらえますのでご安心ください。
税務署に書類を郵送する方法
「医療費控除の明細書」「確定申告書」を郵送で取り寄せるか、国税庁HPにてダウンロード~プリントして記入をします。下記の書類を送付して完了です。
■税務署に提出する書類
・確定申告書・第一表と第二表
・医療費控除の明細書
・マイナンバーの本人確認書類の添付書類台紙
■参考サイト
国税庁HP:確定申告書
国税庁HP:医療費控除の明細書、医療費集計フォーム(エクセル)
e-tax(電子申告)の方法
e-tax(電子申告)とは、国税庁ウェブサイトから確定申告書を作成し、送信する方法です。確定申告等作成コーナーにて入力を進め、そのまま申請書を提出します。初めての方は難しく感じますが、慣れると非常に簡単なのでおすすめです。
ただし、マイナンバーカードのパスワードなどの入力が求められるため、不明な場合は役所に再設定をしに行く必要があります。
まとめ
インビザラインは医療目的の治療と判断されれば、医療費控除の対象となります。ただし、審美目的では対象外ですので、ご注意ください。お子さんの場合はほとんどが医療目的になるためご安心ください。
また、医療費控除はご自身で確定申告していただく必要があります。毎年2月16日~3月15日は確定申告期間ですので、忘れずに申告しましょう。
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